古地図オリエンテーリングで遭難した話 完結編(⑬~◎)

 こんにちは、Club阿闍梨 田中 健太郎です。

本記事は、Club阿闍梨AdventCalendar 2019の12/18向けの記事です。これまでの記事と他のカレンダーへのリンクはこちら。

ajaricalender.hatenablog.com

本記事は、大会の地図作成をしたオリエンテーリングクラブ「野川のカルガモ」さんからも許可を頂き2019/11/16に実施された「東京アーバンアドベンチャー2019 ファンタジスタ x 野川のカルガモ 夢の競演!!」の大会地図を記載しています。

 

前回まで読んだ人は、「なーんだ自分にもなんだかできそう」と思ったかもしれません。他の方の古地図競技の記事を読んだことがある方は、「他とあんまり変わんないじゃない。」と思ったかもしれません。新しいのはここから!

ナヴィゲーション下手くそな人が記事を書いているので、このあと残念な感じに迷います。前回(CP12)まで慎重かつ順調だったのなんなんだ。

12→13

意外とあっけなく見つかったミサワホームから移動。なんとなく違和感を感じつつも、それっぽい沢の方に下る。これが、今回の遭難レッグ。実はミサワホーム(CP12)からの脱出に失敗していて、違う方向をぐるぐるし始める。

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ログを見ると、脱出の方向が明かに違うのだけど、道にながされて青→の先端のところにいる認識が、実際は赤→方面に出ていて、方向をまちがってぐるぐる。

赤→の付け根のあたりに南北に旧山手通りが走っているのですが、これを玉川上水新水路跡の道路と勘違い。ちなみに場所は東京オペラシティのちょっと北くらい。

まあ、旧山手通りに出た時点で速やかに整置(コンパスを地図にあてて、北と地図を合わせる)が出来ていれば、北に向いてる道で下ってるので方向が90度ずれているのはすぐにわかったのだけど、直進用にセットしたコンパスと空腹で整置さえまともにできていなかった模様。

大きな道(地図上は玉川上水新水路)が下ってるのに強烈な違和感を感じつつも、地図に書いてある地形と目の前の地形が違うことに強烈な違和感を感じるも、赤の直線の道はなんとなくイメージした通りに下っているので、思い込みを解けず。

赤→の方角に降りて、沢を詰めることができず、ローラー作戦(片っ端から見てく)に移行するも、手掛かりつかめず。いや、ローラー作戦しちゃだめなんだけど。

「CPないなぁ」とおもってすっかり迷子。

あきらめて、一旦交差点に戻るも、戻ったあとわけわからず北方向に。

整置のプロセスは地図の磁北線とコンパスの北を合わせるだけの単純作業だが、混乱してそれがうまくできてなかった模様。CP12まで戻れば良かったのだが、4車線道路を待って渡るの嫌だった。いや、1時間以上迷うなら、コスト的にその方が格安だったのだが。

完全に遭難。山だったら事故ですが、こういう遭難体験を安全にできるのが古地図競技の良いとこ。ということになってます。

ちなみに会場に戻った後に🐧先輩と話してて、GPSログ見て理由が判明。交差点に出た時点で90度認識がずれてる!

「地図の南北間違える」とか「90度間違ってる」とか、本とかで読んでると「そんなあほなことせんやろ。」と思うんだけどなぁ。

なぁああ。

違和感を持ったら止まる、正しいところまで戻る。の重要。

1時間ちょっと探して、あきらめて帰還レッグ。まあ山ではないし、コンパスで南に抜ければ大体つくでしょ?というモードで、緊急避難用の地図は開かず南下の途中でCP見つける。まあなんかそれっぽい道があったので辿ったのもあるのだけど。

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オリエンティア風の小柄な女性が写真撮ってる。CP見つかった喜び半分、メンタルは終わっちゃってるので「残り走らなきゃ、うーん。」というダメージ半分(気持ちは帰宅モードになりかかってた)。まあでもナビゲーションの神様がサービスくれたと思い、気を取り直す。しかしコンビニない、お腹空いた。お腹すく前に帰るからと食料をザックに入れなかった自分を呪う。よく考えたら古地図イベントで食料常備してなかったの初。何故おむすびがリュックに入ってなかったのか。

*正確には所々コンビニあったのだけど、道路の反対側だったり、妙に並んでたり。

13→14

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オリエンティア風の女性の後ろを追いながら走る。追走ではなく、まあルートが同じなわけで。終わった心を引きずりながら、沢に落ちるところまでルート同じ、緑道に落ちたところでルート別れる。橋までダッシュ。CP発見。

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お腹空いた。以降ずーっと「お、お腹が空いたんだな。」みたいなのが脳内を占める。あんなに迷うなら新宿でパフェでも食べれば良かった。と思ったのは一週間後くらい。まあ、あの格好でカフェとか入れるかどうかは別として。

14→15

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綺麗に平地を回る方向は道路の地形が変わっているので(しかも多分代々木上原の駅前で人混みがあるので)、代々木八幡の手前の道を選択する。代々木公園の手前で、手前を同じ競技してるらしき人を発見。沢の下が公園の入り口なのでそこから入る。右手側に抜けた選手、うまく公園に入れるかな?と思いながら、代々木公園の気持ちよい丘を抜ける。

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さっくり丘の上でCP見つかった時はさわやかな気分になりつつおなかぐぅぅぅ。同じCPを逆側からきて写真を撮る選手と会話。

15→16

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コンパス直進するも、ビルの後ろみたいなところに出て途方に暮れる。代々木公園の陸上競技場の位置を知らず、抜けれなくて右往左往してCP発見。まあこういう風にうろうろするのも古地図ナヴィゲーションの楽しみ。前半のログが綺麗すぎるんですよ。あとログを見ると道に流されてるので、放送センターの裏側に当たってなかったらここも迷走した可能性はありました。あと少しとか思いながら見つからず渋谷の街中に突っ込むパターン。

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しかし巨大な建物。

16→17

不自然な軌道を描いている箇所は、実はCP16の先の通りは渋谷センター街に続く道で、過去の古地図ロゲでこのエリアに落ちて巡行速度が落ちたうえに、人の目が辛いというのがあったため。ここはリスクを取って、意地で避ける。無駄にかくかく動いてるのはそのため。

短パン半袖でセンター街はやだやだやだ。(中部方面のオリエンティアの真似)

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沢をつめ、神泉の駅を過ぎて、CP近くの特徴的な道に乗った確信はあるものの、うまく見つけられず右往左往。ガス欠限界。ナチュラルローソンでおやつ食べて落ち着いて、道を戻ったらCP発見。

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17→18

強引にコンパス直進気味のアプローチであてる。安全策を一瞬考えるも、お腹空きすぎて、無理。途中、会社の同僚っぽい人を目にするも、お腹すきすぎて名前出てこない。多分鳥飼さん。お腹すきすぎて幻覚か?なぜ明治時代に鳥飼さんが(違う)。

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坂を降りたらピンポイントで見つかる。ラッキー!雑なナビゲーションを許してくれたナビゲーションの神様に感謝。いやもうプラン的にリスクしかなかったのですが、思考力なかったので飛び込みアプローチ。

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まあ見つからなかったら泣きながらゴールに帰っただけだが。ちなみにGPSの軌跡は少しずれてて、多分赤いとこ(止まってるところ)がCP。川にあてて離脱。

18→◎

完全にガス欠。寒くなってくる。おら風邪ひくのかな。「つ、冷たくなってきたんだな」とか思いながら走る。ほぼ思考力ゼロ。スーパーとかを横目で見ながら、でももうここまで来たらゴールするしかない。

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遭難した時に備えて、バックに袖(アームウォーマー)とOMMのソニックジャケットが入ってるけど、面倒なので走って発熱して耐える。強引に246に出て、ダッシュでゴール。

記録は5時間21分31秒。CP13を探してた時間が1時間20分くらいあるので、うまくいってても4時間程度。想定より相当遅い。なお、後半まで集中力がもたなかったの課題。山だと確実に遭難してます。でも楽しかった。イベント主催者の皆様、そして「野川のカルガモ」の後閑さんありがとうございました。

いまさらなので書かなかった、今回のもろもろの趣旨はこちら。文中全く書いてないですが、南極応援しています。

www.teamajari.com

古地図スポーツ楽しーですよ!

最後に、大体400mから500m毎に歩測してましたが、トータルの走行距離は数えてないのでGPSのログから算出してます。

長文読んでいただいた方ありがとうございました。