オリエンテーリングにはまる生活(タコかいな?)
こんにちは。Club阿闍梨のSumireと申します。
今年一年の大会参加実績は、オリエンテーリング:35、トレイルO:6 ロゲイニング:8でした。オリエンテーリングをメインに楽しんでいます。
今年は腰痛などの不調のため、長時間のロゲやOMM系の参加は控え、土日はどっちかは休むようにしましたが、それでも結構多いですね。
今回はスポーツと無縁だった自分がオリエン三昧の生活(タコ)になるまでを書いてみました。
※タコとは:毎週どこかの大会に出なければ気が済まないオリエンティアを称してこのように呼ぶ(サンスーシWebサイトOL用語集より)
1.まずはロゲイニングとの出会い「こんな楽しいゲームがあるなんて!」
私は元々非常に運動音痴で、小学校のころは体育のある二日前から「あさって体育がある。。」と憂鬱になってました。つまり毎日が憂鬱だったということです。大人になってもスキーをするぐらいでスポーツとは無縁でした。40歳頃まで、趣味といえば海外ひとり旅。会社の長期休暇を利用して年2回ほど、旅程を事前に決めずに自由旅行のスタイルでいろいろな国を彷徨っていました。旅行先では現地の自然公園をハイキングしたり、山の上のお寺まで登ったりとハードに歩いていたので、普段でも山登りをしてみたいなと思っていましたが当時は登山=高齢者の趣味というイメージできっかけをつかめずにいました。
そこに山ガールブームが訪れ、女性向けの日帰り登山ツアーが多く企画されるようになり、参加するようになりました。登山ツアーでは25000分の1の地形図を持参するように言われます。実際の道の通りに地図が描かれているのが面白くてずっと手に持って歩いていたところ、スタッフに「Sumireさんは地図読み講座にでるべき、絶対ハマるよ」と勧められました。
初めての地図読み講座は足柄丸太の森で、講師は田島利佳さん。午前は屋内で講習。午後は屋外でミニロゲイニングでした。「地図を見て考えて、一人で自由に山を巡れる、こんな楽しいゲームがあるなんて!」目が覚めるような出会い。それからロゲイニング大会に参加するようになりました。ロゲのルートを考えるのは自由旅行の旅程を組むのと共通する面白さがありました。
2.オリエンテーリングとの出会い「こんなに服が汚れるなんて!」
2014年、前年に発足したナビゲーションを楽しむクラブ「Club阿闍梨」の存在を知り入会しました。その8月に静岡OLCと合同の夏合宿が鳥追窪であり、そこではじめてオリエンテーリングを経験しました。第一印象は「こんなに服が汚れるなんて!」藪を漕いだり転んだりして傷だらけになり、服と靴は濡れた草と泥でぐちょぐちょに。40代にもなってこんな泥んこになってしまったことに衝撃を受けました。
初めて出た大会は2014年10月の朝霧オリエンテーリング大会。スタートの作法などわからず周囲の人に教えてもらい、デフケースなどもない状態で参加しました。翌11月には伊豆大島でオリエンテーリング2日間大会があり、WBLで総合優勝しました。幸先のよいスタートでした。
3.Aクラスでこてんぱんに「絶対フラッグが撤去されている!」
翌2015年2月に裾野の深良で早大OCのオリエンテーリング大会がありました。この大会はクラスがA、Bではなくレベル4、5、6で分けられていました。説明を読んだ上で5Lにエントリーしたのですがこれが誤りでした。Bクラスとは段違いのAクラス相当の難しさ。1時間半彷徨っても見つけられなかったCPがあり、3時間以上かけて半分ほどしか回れず会場に戻って「絶対フラッグが撤去されているよ〜!」と叫んでしまいました。浮かれた気持ちに冷や水を浴びせられた感じですが、難しいからこそ面白い。さらにオリエン熱に火がつきました。
4.毎週のように大会参加「ズルい入賞ばかりで恐縮です!」
すっかりオリエンにはまり、毎週のように大会に出かけています。札幌や出雲まで遠征したこともありました。オリエンテーリングの魅力は難しいところ!終わってからGPSログとLapCenterを見てああすればよかった、こうすればよかったと考えるのが楽しいです。いちおう、アナリシスも書いています。今年吉田勉さんのセミナーで書き方を教わりました。LapCenterのメモ機能を使っています。各レッグのデータの下に記入できるので便利です。
年齢別クラスがある大会ではW40AとかW45Aに出ていますが、このクラスは人数がとても少なく、完走できれば入賞できることが多いです。例えば2018年11月の早慶2daysはどちらもW40Aが私だけだったので1人優勝で賞品を頂きました。阿闍梨のメンバーが表彰式の写真をFacebookに載せてくれたりして、それに「すごいね!」とコメントを頂いたりするのですが、非常に恐縮の限りです。いつか納得できる入賞ができたときは自分からドヤりたいと思っています。
5.オリエンきっかけでトレランも「ちゃんと24時間耐久しました!」
Club阿闍梨のメンバーは元々トレランやロードのランナーが多いですが、私は全くやっておらずロゲイニングも出始めたころは歩いて参加していました。そんななか、2015年5月に第一回が行われた松本-長野ウルトラオリエンテーリングに誘われました。60km!そんなの歩いたこともないので絶対無理。断ったのですが押し切られてしまいました。そんな長距離歩けるのか。力試しにエントリーしたのがハセツネ30でした。全く準備できずに臨みましたが、制限時間の7時間を5分オーバーしましたが完走できました。トップ選手と同じコースで声援をもらって走るのが楽しくて、それ以来20km程度で制限時間の長い大会(スリーピークス23kmなど)を選んで出るようになりました。2018年にはハセツネに無謀と思いながらも挑戦したところ23時間49分で完走することができました。暑さでたくさんの選手が道端に倒れる中歩き通しました。一生の思い出です。しばらく完走Tシャツを着てあちこち行きました。
6.トレイルOで「世界を目指す!」
走力のない自分が活路を見出そうとトレイルOに積極的に参加しています。これもBクラスに出てた頃は全問正解して「素質あるんじゃないか」と思ってたらAクラスでこてんぱんにやられました。正解を聞いても「そんなのわかるわけないよー」と思うような難問もしばしば。そんな中、2019年4月の安曇野の全日本トレイルO大会でAクラスで2位になり、E権をゲットしました。次回の全日本大会ではEクラスに出場できます。しかしまだまだ正答率が低く、世界への道は遠いです。
7.スポーツ優秀選手に「うちのどんくさい娘が!」
昨年は福井県の全日本リレーに初めて参加しました。WVクラスで点数を獲得し、ささやかながら神奈川県チームの優勝に貢献することができました。そしたら今年の1月にチームメンバーと共に神奈川県スポーツ優秀選手として表彰されることになり、授賞式に出席しました。体育のせいで毎日が憂鬱だった自分がスポーツ優秀選手賞なんて!両親が喜んじゃって、大きな賞状を飾る額縁を買ってくれました。
8 .これから「W100Aに出る!」
せっかくの生涯スポーツなので、健康と怪我に気を付けて長く続けていきたいです。海外の大会にもいずれ行ってみたいです。あと秘かにARDF(無線機を使ったオリエンテーリング)が気になっています。
第3回WILDES KAMUY杯のご案内
12/22は伊藤さんより個人主催のレースのご案内です。今年を振り返るではなく来年のイベントになりますが、興味がある方はご連絡下さい。
* 主催者はClub阿闍梨のメンバーですが、Club阿闍梨のイベントではありません。あくまで個人主催のレースなので、下記内容を確認の上自己責任で行動できる等参加資格を確認の上ご参加下さい。また、主催者側の判断で参加をお断りすることがあります。
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ロゲイニング、オリエンテーリング、アドベンチャーレースの愛好家のみなさまへ
多摩地区周辺(川崎市多摩区、麻生区、調布市、稲城市)をテレインとしました藪漕ぎもあるナイトロゲイング(5h)を企画致しました。今年は古地図クラスと現在地図クラスを行う事にしました。
続きを読む古地図オリエンテーリングでエイミングオフした話 中盤編 (⑦~⑫)
古地図オリエンテーリングで歩測した話 序盤編 (①~⑥)
本記事は、Club阿闍梨AdventCalendar 2019の12/11向けの記事です。他の方の記事はこちらからご覧ください。
「古地図オリエンテーリングでほぼ全区間歩測した話」を書きます。長いので3回に分割します。
12/10に国土地理院の地図の利用規定が緩和されて、地図の利用基準が緩和されました。これによりWebサイトに地図を記載する際の要件が緩和されました。
https://www.gsi.go.jp/chizujoho/chizujoho61002.html
あわせて、大会の地図作成をしたオリエンテーリングクラブ「野川のカルガモ」の後閑さんからも地図利用の許可を頂けたため、2019/11/16に実施された「東京アーバンアドベンチャー2019 ファンタジスタ x 野川のカルガモ 夢の競演!!」の大会地図を掲載しながら、大会参加のレポートを記載します。単純に地図が付いたら雰囲気が伝わるかというと、そうでもないと思いますが、ちょっとは雰囲気が伝わればと思います。なお、特に本文中記載がないところも基本的に歩測していました。古地図オリエンテーリングって何?と気になってる方に参考になればと思います。
古地図オリエンテーリングとは?
明治時代とか、過去の地図で現代を走っちゃおうっていう競技です。
会場で古地図と、CP(コントロールポイント)の写真と説明文を受け取ります。現代地図は使えません、スマホ等も不可。ただし、CPの説明文に書いてある情報(例:3丁目の交差点)をもとに探すのはOK。
東京は比較的地形が残ってるので、なんとかなるってことになってます。ただ、今回対象になった地域は比較的地形が薄いので、ある程度ナヴィゲーションのレベルがあるか、線状特徴物(用水が道路になってるところや緑道)がわからないと辛いです。
「ああ、これは玉川上水の跡ですか?」「ああ、この緑道は川だったとこですね。」というブラタモリのタモリさんのコメント見たいなのを、キロ4分からキロ8分くらいで走りながら、心の中で呟きながらやります。高速ブラタモリ。
オリエンテーリングなので、地図に記載された番号を順番にまわります。
今回は直線距離18kmの競技ですが、迷ったので私は実走35kmくらい走りました。
歩測とは?
2歩1カウントで、ストライドを掛けて距離を測ろうとする伊能忠敬的なあれです。*こういう適当な事を書くと多方面から突っ込みが入りそうですが、一般ウケを優先します。いやまあ一般人こんな記事読まないかもしれませんが、できるだけ多くの方に興味を持ってもらえればうれしいです。
なんで歩測したのか?
今回のエリアは豊多摩=渋谷区、中野区、新宿区なのですが、地形が結構微妙で読み取れないことがあるので、行き過ぎた場合に大体どの辺にいるか知りたかったからです。まあ、トップ選手とかは地形と速度とかで大体どの辺にいるかわかるらしいのですが、私は後述(3回目予定)のようにどこにいるかわからず右往左往することがあるので、測って安心。なお、GPSはログを取る以外は利用不可です。
結果どうだったのか?
劇的に遅かったです。500mに1回は現在地が正しいか確認して、ルートを再度確認してたので、それはもう。止まってる時間が長すぎ。
🐇の歩測方法
私の場合、キロ6分で走ってる時の走行時のストライドが1歩1m。速い時は1.2m~1.25mなので、 10歩に1回指を折って(2歩で1回なので20m)、5カウントで100m。と4カウントで100mと100m単位でまとめるようにしています。20mから50mくらいは目測してしまうのと、実際に400~500mを測ることが多いのでこうしています。
走行中に距離計算すると、普通に忘れるので実用的なやり方で今はこれが限界。今回は練習的な意味もこめてやったけど、全編歩測は遅すぎるので普通にしません。ちなみに早すぎると数え切れなくなるのでキロ4分40秒とかで歩測は無理でした。
表記に関する補足
本文書中ではナヴィゲーションインストラクター資格を持つ柏樹さんが複数回出現するため、面倒なので通称として🐧先輩と記載しています。(読み方はペンギン先輩)。途中まで並走してるのは、走力差があるだけで、🐧先輩の方がナヴィゲーション能力は数段上です。あと、別でやっているブログに合わせて、以下主語は🐇(うさぎ)です。この表記には加齢臭を抑える効果がありますが、途中で著者の写真がでてくるので台無しです。
蛇足
当初普通にルート解説的な記載をしていたのですが、試しに読んでもらった方から「なんでこれで移動できるかわからない。」と言われたので、ちょっとくどいくらいに根拠を書きます。残念ながら途中迷走しているので、古地図競技で迷ったらどうなるか?もイメージしていただければと思います。
では実際の競技の様子をご覧ください。
続きを読むOMM Japan 2019 振り返り Day2
Day2結果:3:45:10、総合4位、男子2位
前日の上位10組はスタート時間が早くなることは把握していたので、4時起きで準備開始。それでもトイレ20分待ちなどで時間を費やし、結局ギリギリでスタートエリアへ。
受け取った地図を見ると予想通りテレインはテン場から西に広がるエリア。つまり地図上最も東に位置する会場まで戻るには最後に相当走らなくてはいけないことになるなと覚悟を持ってスタート。
CP1へはグラウンド西側の斜面を下って車道を目指す。その後車道から分岐する徒歩道を使って南方向へ。つづら折れの曲りをアタックポイントにした。CP1は難なく取ることができたが、ここからの脱出でミス。道を南東へ向かうべきところ反対の北西側へすすんでしまった。お互いに違和感があったようで二人どちらともなく立ち止まり事なきを得た。
ここからCP2へは道がつながっていないので、途中緩斜面をコンパス直進して道を乗り換えた。そこまではよかったのだが焦りからかアタックポイントを少し手前と勘違いして道から外れてしまった。コンパスで方角を確認すると間違いに気が付くことができた。おかしいなと思ったらコンパス使って方向確認。これ大事です。
CP3へは一旦来た道へ戻り西へとすすむ。ここは下り基調なので走らなきゃいけないポイント。坂倉さんに引っ張ってもらって先へとすすむ。途中数m大の穴を発見。異臭がするので何かと思ったら部分的に白骨化した複数のイノシシの死骸が中に。罠でとらえた獣たちはこうやって処理されるものなのだろうか?
沢まで下ったら渡渉して登り返し。地図上の道で行ける所まで行ったらあとは道なき斜面を登ればCP3。しんどかったけど周り他の参加者がいたので緊張感をもってすすめた。
CP4へはそのまま道のない斜面をコンタリングですすむ選択肢もあったが、下まで降りて道で行くことで二人の意見は一致した。アタックポイントから目標にしていた尾根に無事とりつきCP4をゲット。
CP5へは溜池の堤防を横切り、車道をめざした。そのまま車道を登ってもよかったが、僕は可能な限り尾根を登ってショートカットする案、坂倉さんはより早く道に復帰する案を提示。ここは可能な限り尾根を登ろうということになったが笹薮が濃く、結局はより早く道に戻るルートに軌道修正。状況に応じて臨機応変に動くことができた。
車道をすすんでしばらくすると斜面を登る徒歩道があるはずだが登り口が見えない。このままいくと行き過ぎになるので思い切って道を外れ斜面に取りつく。沢を詰めていけば道が見えてそこからアタックの予定だったがそれっぽい小道が沢山見える。ここで立ち止まり現在地特定などで少し時間を費やす。結果CP5は思っていたよりも高いところにあった。
ここから先はひたすら道を辿っていくルート。昨晩泊まったキャンプ場から先は大きなアップダウンもなく舗装路を走れる区間。自分が引っ張りますと張り切って言ってはみたものの、程なく両足の前腿がつりはじめる。走りたくても走ることができない!
そこで坂倉さんから「アミノ酸飲むといいよ」との声。「そういえば持っています!」いざという時に飲もうと持ってきていたアミノバイタル二袋を一気に摂取。これでなんとか足つりも収まった(気がした)。せっかく準備して持ってきていたのに人間追い込まれるとそのことすら忘れてしまうのだなと実感。坂倉さんナイスアドバイス!
草原エリアにはいるとそこは基本シングルトラック。もちろんこちらは小走り。徒歩で先を行く選手たちに「ごめんなさいね」と声を掛けながら道をあけてもらう。先を急ぐとはいえ最低限のマナーは守らねば。
CP6は道の途中にあったので難なくゲット。次のCP7は車山の山頂あたり。距離の短い木道のあるルートをチョイスした。もちろん木道は走ることはできないので早歩きでペースを落とさずにすすむ。この日一番しんどかったのは最後の車山への登り返し。坂倉さんはスイスイとすすんでいくけど、こっちは追いつくのがやっと。
CP7は山頂の手前の階段にあった。ここまで登ったのなら山頂標識見たいなという思いと、これ以上登らなくてホントによかったという思いが交錯した(笑)
CP8までは道走り。最後の力を振り絞って坂倉さんについていく。途中立禁のゲレンデを避けて東に曲がらなければならない。我がペアは迷わず東へすすんだ。ここを直進していった若者たちがいたが彼らはちゃんとフィニッシュできたのだろうか。
いいペースで走っていたので「キロ5分で走っていますよ!フィニッシュまであと少しだから頑張りましょう!」と後ろから坂倉さんを煽ってみた。ホントはこっちもそんな余裕はないのだけれど。フィニッシュ方向に目をやると沢山スタッフが待っていた。思い切り手を振ってみると反応があったので嬉しくて元気が出た。
CP8からフィニッシュへは下り階段。慎重かつ大胆にすすんだ。テンション上がりながらも「これ、ここでコケたらいい笑いものだよな」と思う冷静な自分がいた。
フィニッシュ後は装備チェックの対象となった。朝霧で一度経験しているがもちろんOMMでは初めて。必要なものは全て持ってきてスタートしたが、いざこうやって調べられるとちょっとドキドキする。
無事に装備チェックもパスして、フィニッシュフラッグで記念写真撮って、坂倉さんとお互いの健闘をたたえ合って今年の僕のOMMは幕を閉じた。
総合成績:8:02:59、総合6位、男子4位
今回僕を誘ってくれた坂倉さんに改めて感謝の気持ちを伝えたい。Club阿闍梨の看板に恥じない結果を残すことができたのは坂倉さんのおかげだと思うから。自分自身はまだまだ足りないところが多いけれど、レース後に「出し切った!」と強く思えたことは嬉しかった。
そうそう。別れ際に坂倉さんが「来年も一緒にでませんか」と声を掛けてくれた。まだどのクラスにするかは決めていないけれど、もし参加することが叶ったらこのペアでさらに上を目指したいと思っている。
(了)
OMM Japan 2019 振り返り Day1
一緒にOMMストレートBに出ませんか?
それまで僕にとってのOMMとは妻と二人で、ショートスコアに、歩きで参加するイベントだった。それが昨年はショートスコアがなくなったので不参加。今年はいよいよ運営で参加しようかなと思っていた、そんなときに坂倉さんから誘いを受けた。
さてどうしようかと考えた時、ふと3月のOMOのことを思い出した。坂倉さんとは長い時間並走して競り合った。つまりナビ力や走力は自分と近い。おまけに坂倉さんは山の経験も豊富で人柄もよい。これも何かの縁だろうと思いオファーを受けることにした。
お互い週末は忙しく、一緒に練習できるのは9月のAMOだけということだった。そこで自分だけでもできることをしようと、7月の霧ヶ峰ロゲに妻と参加した。歩きなので狭いエリアではあるがOMMのテレインを事前に経験できたことは本番でとても役に立った。
妻以外の人と組んでレースに出たことがなかったので、まずはその不安を払拭したかった。9月のAMOはその絶好の機会となった。荷物の分担、レース中の役割分担、テント場での作業分担などを決めることができた。ここで自分の装備も試すことができたのもよかった。
レース中の役割分担
メインナビは坂倉さん、僕が後ろについて何か違うなと思ったら声を掛ける。CPについたら次のアタックポイントまでのプランについて意見交換してその場で方向性を決めた。
アタックポイントからはお互いがそれぞれCPを目指す。あまり距離が離れるようなら声を掛けあうつもりだったが、実際そんな必要はなかった。ナビの志向性も近いのだろう。移動中、山道の上り下りは坂倉さんに引っ張ってもらい、平らなところは僕が引っ張った。
Day1結果:4:17:49、総合8位、男子5位
ストレートBはDay1を終えて総合2位から9位までがわずか20分差の大混戦。安全をみてレース中に2回もトイレに寄ったのがよくなかったかな(笑)
ではDay1のレースを振り返ってみたい。
朝は会場にある池も凍るほどの寒さ。スタートには阿闍梨メンバーはじめ知った顔が沢山。ホッとする中にも緊張感のあるひと時を過ごした。暖かそうな格好で歩いてスタートする選手が多い中、我がペアは阿闍梨シャツを着て小走りにスタート。
CP1までは遊歩道を行く。写真でよく見るUK OMMのように草原を突っ切って進みたい衝動に駆られるがよくよく見ると「天然記念物」の看板。これは入っちゃダメなやつ。車山肩にトイレがあるのは知っていたのでここで用を足す。この先はずっと山だからね。
CP2に行く途中、車道を走る区間があった。この区間は頑張って走ったつもりだったけど、後ろからやってきた若者男子ペアに簡単に抜かれた。悔しいけどこれが現実。
山道に入ったあとはしばらく下り。で、ここでアクシデント。ハイドレーションから給水しようとしたら水が出てこない!もしや底が抜けたか?ザックに触れても濡れは感じない。何か吸い口に詰まったか?吸い方を変えてみたけどやはりなにも出てこない…。
そんなことしているうちに本来曲がるべきところを見過ごしオーバーラン。坂倉さんの機転でほどなくルートに復帰できたけど少しロスしてしまった。ほどなくCP2に到着、ここで坂倉さんに窮状を伝え、ザックをおろしてハイドレーションの状態を確認。なんとホースが本体にしっかり装着されていなかった!
最近すっかりトレランとはご無沙汰で、ハイドレーションを使うこと自体が久しぶりだったとはいえ、初歩的なミスを犯して恥ずかしい限り。せっかくペットボトルの給水で時間が掛かったAMOの反省を踏まえて導入したハイドレーションだったのに。
CP3へは尾根道をひたすら下った。坂倉さんドンピシャの歩測で迷わずアタックポイントへ。ここから支尾根を下っていく。途中目の前を鹿の群れが走り去っていった。動物たちの世界にお邪魔させてもらっていることを実感。
気持ちよくCP3を取ったあとは、道を辿ってCP4を目指す。アタックポイントは右手の谷が終わり平らになった辺り。ここから道を外れ尾根をすすみ難なくゲット。が、その後CP5へのルートでは意見が割れた。
このまま直線的に西の道へ下るか(僕)、さっきのアタックポイントまで戻って道へ出るか(坂倉さん)。結局アタックポイントまで戻ることにしたが、途中でやはり西の道へ降りようということになった。今思えば坂倉さんに気を遣わせてしまったかもしれない。
当初プランでは道へ降りた後、CP5へは直線的に目の前の尾根を越えて西進するつもりだったが、その尾根を見て「これ登るのは嫌だよね」という話になり南回りに林道で迂回すルートを選択。林道の下りは走ることができたが、登り返しは走ることはできなかった。仕方がないのでこの区間は歩きながらのランチタイムとした。
夜のテント場での反省会で他の参加者にCP5へのルートを聞くと、アタックポイントまで戻って北側にある鞍部からこの尾根を越えていたことがわかった。次同じようなケースに遭遇したら鞍部から尾根を越えようと心に誓ったのである。
CP5は道からフラッグが見えたのですぐに取ることができた。CP6へ向かう林道に出るためには尾根を登るのだが、ここが今日一番きつかった。そこから道をひたすら北西へすすんだ。林道の終わりまですすんだらそのまま北西に谷を詰めていくプラン。この傾斜も厳しかったけれど何とか登り切る。
登り切ったら道がでてくると思っていたら道が出る前に下り始めた。一瞬戸惑ったが等高線に現れない微地形と信じそのまま先へすすむと道が現れた。坂倉さんは迷いなくこれを横切ってすすむ。するとCP6は目の前に。
その後は道のない緩斜面を北上してCP7につながる徒歩道にでるプラン。基本コンパス直進なわけだが、東に行き過ぎると立禁に入ってしまうので気持ち西気味にすすむ。いわゆるエイミングオフだ。西へ行き過ぎても傾斜が急になるのでそれがストッパーになった。
徒歩道に出てからは小走りで進む。ゆるい登りなのでスピードはでないが気持ちだけは前向きに。途中地図にある岩を確認して現在地を特定しながらすすんだ。
橋のたもとにあるCP7を取った後は湿原の徒歩道を西へ向かってひたすらすすむ。ここは平らなので僕が引っ張らせてもらった。途中楽しそうに歩くペア何組かとすれ違う。きっと彼らはスコア参加者に違いない。自分も以前はそうだったので雰囲気でなんとなくわかる。
湿原を抜けるとそこにトイレがある。フィニッシュは近いが念のためにと立ち寄った。今思えばここはパスしてもよかった。もちろん後の祭りだけど。そこからは急斜面の小道を登っていく。けれどもここさえ我慢すればあとはフィニッシュまで下り基調と知っていたので頑張ることができた。霧ヶ峰ロゲで歩いた経験が役立った瞬間である。
登り切った先も坂倉さんに引っ張ってもらいフィニッシュまで走った。足がつりそうだったけど頑張って走った。勢い余って途中右折箇所をオーバーランしてしまったのはご愛嬌。すぐにリカバリしてフィニッシュへ!
まさかこんなに早い時間にフィニッシュできるとは思っていなかったのでビックリ。記念撮影を済ませたらトイレや水場との距離感がほどほどの場所を確保してしばし休憩。酒は持ってきてないのでもちろんクワイエットゾーン。
その後フィニッシュで応援したりして時間を潰したがやることもなくなり、夕日を眺めながら夕飯食べて18時過ぎにはおやすみなさい。防寒をしっかりしてきたからか朝方の寒さに苦しめられることもなかった。
Day2に続く